不動産業界における業務の中で、定型(ルーティン)業務がどれほど含まれているかご存じでしょうか。
キーマンズネットの「RPA(Robotic Process Automation)の導入状況に関する調査」(2019年)によると、業務のうち半分以上が定型業務である人が4割にのぼり、技術的には67%以上の業務に自動化できる可能性があるということです。
こういった業務はRPAを利用することによって効率化することができます。そこで今回は、
RPAとは何か
RPAを活用するとどうなるか
という観点で、RPAを不動産会社が活用することのメリットをお伝えし、さらに実際に導入する段階でのポイントもお伝えしていきます!
そもそもRPAとは?
RPAはRobotic Process Automationの略であり、ロボットによる業務自動化を意味しています。
マウス操作、文字入力、コピペ・転記、Web情報抽出といった定型業務を自動化するのに最適なツールであり、生産性の向上や人的ミスの削減が可能です。
人と比べると、定型作業に関しては休むことやミスもなく、業務に対する不満を抱いたり辞める心配がないという違いがあります。
24時間365日駆動可能で決まった単純作業を繰り返し、ミスのない作業実行が可能であるロボットと、複雑な手順や思考が可能であり、イレギュラーにも柔軟に対応できる人間で、現在全て人が担っている業務を役割分担できるということです。
まとめると、RPAの主なメリットは以下の三点です。
- ミスや抜け漏れなし
決まったルールに基づいて作業を行うRPA導入により、人的ミスを防ぎ業務クオリティが向上します。 - 業務遂行が速い
人が遂行するよりも作業スピードが早い上、休みなく働き続けることができるという点でも作業を完了するまでにかかる時間がはるかに短くなります。 - コスト削減
ミスなく、生産性が改善された業務遂行によって大幅なコスト削減が見込め、店頭での接客に当てる時間や人員を拡充することも可能です。またロボットは一度作業を教えこめば辞めることもないため教育コストも削減することができます。
具体的にRPAを導入して不動産会社で自動化した仕事には
物件情報の登録
基幹システムへの自動入力
保証会社とのデータ連携
といったものがあり、これらによってテレワークの成功や生産性の向上、残業時間の大幅短縮を実現された企業様もございます。
プログラミングやマイクロツールを利用した自動化とどう違う?
プログラミングやマイクロツールを利用した自動化をすでに導入されている会社もいらっしゃるかもしれません。しかし、
「エンジニアが足りなくて導入が難しい……」
「あるアプリに特化したシステムは作れるが、そのシステム間の連携がうまくとれず、いまいち効率化できていない……」
といった悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
これに対しRPAは、操作が基本ドラッグ&ドロップで直感的な運用が可能であるため、エンジニア不足などのITリテラシーが十分とは言いきれない環境でも、導入しやすくなっています。
さらに、導入段階からアプリをまたいだ連携が可能になっており、一度に様々なシステムへ情報を入力することができるため、入力作業が大幅に効率化できます。
実際にRPAを導入するにあたって
RPAとは何か、その導入によるメリットとは何かという点についてお話ししてきましたが、以下では実際にRPAを導入するにあたっていくつか考えるとよいポイントをお伝えしていきます。
まずは作業時間×作業人数×作業頻度で現在人が行なっている定型業務を分析し、自動化した際の効果を簡単に見積もると、導入の是非における重要な判断材料になると思います。
自動化できる仕事は
簡単なデータ入力などのPC作業
業務フローが固定されている平準化された作業
反復作業
という特徴をもったものが適しています。
他方で不動産業界ではまだ手書き情報を扱うことも多い現状にありますが、実はここでもRPAの導入が可能です! OCRソフトで手書き情報のデジタル化を行なうことでRPAを活用できる状態になります。
導入における注意点
ただしRPA導入の開発人材の育成にかかる時間(50〜90時間ほどと言われています)や研修コストは意識する必要があります。業務フローが変わる場合には同時にそれを遂行するロボットの改修が必要であるため、運用・保守を自分たちで行なえることも重要になってくるからです。
RPAで変わりうるこれからの不動産業界
様々かつ大量な情報を取り扱う不動産業界では、正確で迅速な作業の遂行が求められます。しかし人的稼働では、入力作業において一定の時間がかかる上、ミスが発生することを防ぎきることはどうしても困難です。こういった現状のほか、近年働き方改革やセキュリティ問題に対する懸念も高まる中で、RPAの導入は業務のあり方を大きく改善する可能性をもっているといえます。
RPAについてはイタンジまでお気軽にお問い合わせください。