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デジタル改革関連法案可決!不動産賃貸業はどう変わる?いつ変わる?備えておくべきことは?

「デジタル庁設置法」をはじめとした「デジタル改革関連法」が2021(令和3)年5月12日に可決されました。

このうち、不動産管理会社及び不動産賃貸仲介会社(以下「不動産賃貸業者」)に大きく関係するのが、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(以下「デジタル改革関連法」)であり、その内容には宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)の改正も含まれています(デジタル改革関連法第17条)。この改正により、重要説明事項の説明(以下「重説」)から契約書の交付・締結までオンラインで完結させること(以下「オンライン化」)が、法的に認められることになります。なお、その要件等詳細は、今後政令等により定められていきます。

不動産賃貸業務はどう変わる?

従来の宅建業法では、不動産賃貸取引において以下のことが義務付けられていました。

  • 重要事項説明書を書面で交付(宅地建物取引士による記名押印が必要)
  • 不動産取引契約書を書面で交付(宅地建物取引士による記名押印が必要)

宅建業法の改正が実施されると、次のように変わります。

  • 賃借人・賃貸人等の承諾を得て、重要事項説明書を電磁的方法により提供が可(宅建士による押印は不要)
  • 賃借人・賃貸人等の承諾を得て、不動産取引契約書を電磁的方法により提供が可(宅建士による押印は不要)

つまり、これまでも可能であったIT重説と組み合わせることで、一連の不動産賃貸取引のすべてを、オンライン化することが可能になるのです。

※借地借家法第38条(定期建物賃貸借)も改正され、従来書面締結でなければならなかった定期借家契約についても、オンライン化が可能となります。

電子化は、なぜ重要?

このように、政府も不動産取引等の電子化を後押ししていますが、これまでアナログメインだった不動産業界において、なぜオンライン化をする必要があるのでしょうか。

まず、オンライン化に対応することは、入居希望者様のメリットにつながります。店舗に行く必要がなくなれば、重説や契約締結の日程調整における選択肢が広がります。また、非接触・非対面を希望されるお客様や、遠方にお住まいで手続きのためだけに来店するのが難しいお客様への対応も可能になります。

不動産賃貸業者様にとっては、業務効率化が見込まれ、時間外労働や人件費の削減、テレワークの推進にもつながります。また、これまで契約書の締結にかかっていた紙代・印刷代・郵送代・印紙代といった諸経費の削減も期待されます。

デジタル改革関連法の施行により、多くの不動産賃貸業者がオンライン化に対応することが予想されます。多様化するお客様のニーズを満たすため、また変化する社会情勢に対応するためには、オンライン化への対応は必須といって差し支えないでしょう。

施行日はいつ?やっておくべきことは?

デジタル改革関連法の施行日は、一部を除き、2021(令和3)年9月1日からです。直前に慌てることのないよう、今のうちに社内の IT 化を可能な限り進めておくことをおすすめいたします。

最小限、

  • 入居申込書を電子化しておく
  • 賃貸借契約・重要事項説明をオンラインで行なうことができるよう、ビデオ通話ツールを導入、運用しておく

といったことが考えられます。また、可能であれば

  • 駐車場契約など、すでに契約書の電子締結ができるものは取り入れていく

ようにしてはいかがでしょうか。

もしくは上記のような内容は、ITANDI BB+「申込受付くん」「電子契約くん」をご導入いただくことでも簡単に準備することができます。そのほか、安定したインターネット接続環境を完備すること、オンライン化に対応できる程度までスタッフのITリテラシーを向上させること、オンライン対応時のオペレーションを確立させておくこと等も重要です。

不動産業界は、今大きく動き出しています。IT 化・電子化への課題や不安を抱えていらっしゃる方は、ぜひ一度イタンジにご相談ください。

(この記事は、2021年5月18日現在の情報に基づくものです。)