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【仲介会社向け】不動産のCRMツールはどう選べば良い?CRMツールの必要機能や導入までの手順を徹底解説

不動産のCRMツールはどう選べば良い?

CRMについて漠然と気になっているものの、よく分からないまま敬遠している不動産業者は多いのではないでしょうか。
本記事では、CRMはどんなもので、どんな会社がCRMを導入すべきなのかをまとめました。

必要なCRMの機能や、導入までの手順はもちろんのこと。
導入前の自社課題の見つけ方や、導入後のトラブルを避けるためのCRMの選び方まで。

適切なCRMを導入するための参考になれば幸いです。

目次

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不動産CRMとは?

CRM(Customer Relationship Management)とは顧客関係管理のことで、主に顧客を管理するツールのことを指します。

さまざまなIT会社で使われており、今日では不動産会社向けに特化したCRMも出てくるようになりました。
CRMを使うと、お客さんのメールアドレスや電話番号を簡単に管理できたり、その管理情報をもとにお客さんごとに自動で物件を提案できたりします。

多くの仲介会社は「反響をもっと鳴らしたい」や「来店するお客さんを増やしたい」と考えています。
例えば「返信のないお客さんに対しても、数週間メールを送って追客する」ことができれば、来店率は増えるでしょう。
人力ではどうしても限界がありますが、CRMを使うとそういった理想の追客も可能になります。

どんな機能があるか

まずはじめに、CRMに備わっている一般的な機能についてご紹介します。
ひとえに顧客管理とは言っても、「顧客をどのように管理できるか」「管理した上で何ができるか」が、CRMを理解する上で欠かせないポイントです。
本項をもとにCRMの機能概要を理解し、各社のCRMの商品説明と照らし合わせて機能の過不足を確認してください。

一般的なCRMの機能

①反響の取り込み

仲介会社の多くは、ポータルサイトからの反響を得ることで顧客と接点を作ります。
そのため不動産に特化するCRMの多くは、反響の情報を取り込むことで自動で顧客を登録し、管理しています。
反響の取り込みスピードが速いほど、他社より早く顧客対応できるので、CRMを比較検討する上で重要なポイントとなります。

②顧客情報の管理

顧客情報や顧客ごとのタスクを、リストやカレンダー形式で管理するシンプルな機能です。
仲介会社は各担当者に顧客情報が分散しやすいですが、管理画面があれば社内共有や引き継ぎもスムーズに行うことができます。
また、CRMのあらゆる基盤となる機能になるため、この管理情報をもとに様々な機能が実装されています。
この機能の使いやすさは、そのCRMの使いやすさに直結すると言っても良いでしょう。

③連絡手段の多様化

顧客とのチャットはもちろん、SMSやLINE連携、ビデオ通話などをCRMを通して行うことができます。
チャット履歴が残るので契約後のトラブルを防止することができ、ビデオ通話はオンライン内見に役立てることができます。
また、今日では電話のやりとりを好まない顧客も多く、LINE等のテキストチャットは顧客体験を大きく向上させると考えられています。

他社に差をつけられる機能

④追客業務の自動化

顧客のメールアドレスや、希望している物件情報をもとに、物件提案等の追客を自動で行うことができます。
一例として、人力では全ての顧客に数週間もメールを送り続けることは難しいですが、CRMではそれが可能になります。
ルーティンワークを大きく削減することができ、代わりに来店対応などに丁寧に時間を使えるため、来店数や成約数などの分かりやすい成果に貢献できる機能といえます。

⑤顧客分析やパイプライン分析

物件提案をパーソナライズするための顧客分析はもちろん、ポータルサイトごとの反響分析や、店舗や担当者ごとの各数値の分析を行うことができます。
例えば「顧客がよくアクセスする時間」や「閲覧している物件の傾向」が詳しく分かれば、成約につながる最適な物件提案を行えるでしょう。
また「担当者ごとの来店率や成約率」を出すことで、社員育成の課題を見つけられたり、店舗の売上低迷を改善できたりするかもしれません。
CRMがなければ各数値を分析することは困難なため、CRM導入によって会社を改善する手段を増やせる機能といえます。

⑥物件データベースとの連動

自社で物件のデータベースを持ち、空室情報を管理する仲介会社は少なくありません。
そのデータベースとCRMを連動させることで、顧客からの空室の問い合わせに対してCRMが自動で返信することができます。
顧客がアクティブになりやすい夜中でも、営業が内見案内に出てしまっていても関係なく自動返信するため、場合によっては人を雇う以上の効果を見込めるでしょう。

どんな会社が導入すべきか

ここまでCRMの機能についてご紹介しました。
一見すると全ての会社にとって便利にも思えますが、実はそうとは言い切れません。
本項では、CRM導入による「会社にとってのメリット」を整理した上で、「どんな会社が導入すべきか」についてご説明します。

会社にとってのメリット、デメリット

メリット

  • 夜間の返信や即時対応など、反響に対して人力以上の追客をすることができる。
  • 来店対応や内見同行といった、人が不可欠な業務により時間を割くことができる。
  • CRMで一元管理できるため、担当者がいない時でも顧客対応をすることができる。
  • 即時対応やLINE連携などによって顧客体験が向上し、会社の評判が上がりやすい。
  • CRMで数値を出せるため、分析することで会社の課題を見つけられる。

デメリット

  • 既存業務が減るものの、新しい業務に慣れるのに時間がかかる。
  • CRMと会社の相性が悪いと、費用対効果が出ない場合がある。
  • 実績の少ないCRMなど、ものによってはセキュリティのリスクがある。

この課題を持っている会社は導入すべき

CRMを導入することで効果が出やすい会社は、以下の課題を抱えていることが多いです。
もし当てはまるのであれば、CRMの導入の検討をお勧めします。

①反響は鳴っているが来店に繋がらず、他社に決まってしまうことが多い

顧客の多くは、ポータルサイトから複数の仲介会社に問い合わせをしています。
そのため、顧客への初回連絡が他社より遅かったり、追客メールが少なかったりすると他決してしまいます。
これらはCRMを導入することで、簡単に改善することができます。

②仕事が属人化してしまい、改善できていない

営業スキル等の属人化によって「社員の成果にバラつきがある」や「思うように社員育成できない」と悩む会社は少なくないようです。
マネジメントが機能していない原因は、上司の時間不足や、部下の仕事を管理する手段がないことです。
特に社員の流動性が高く人手不足に悩む会社ほど、新人の即戦力化は重要になるため、マネジメント手段としてCRMは重要なものとなるでしょう。

③成約までの工程の各数値を、正確に把握できていない

仲介会社の多くは、複数のポータルサイトの中から効果が良いものを選択していることでしょう。
そして、ポータルサイトを取捨選択する際には「かけたお金に見合った反響数か」どうかを考えています。
これと同じように「反響来店率や来店成約率」も考えることで、来店対応や追客手段についても取捨選択するのが理想です。
会社の数値を常に分析することは難しく、できている会社は少ないですが、分析ツールとしてCRMを活用すれば難しいことではありません。

CRMの導入が難しい会社について

CRMは、最初の工程である顧客登録が手間になりやすく、上述の通り反響を直接取り込むことでこの問題を解消しています。
そのため反響元と連携できず顧客を自動登録できなければ、手作業で登録する必要があるため、CRMの導入が見送りになりやすいです。

例えば、中華圏の顧客が多い外国人専門仲介会社の場合、WeChatで直接連絡を受けることが多いです。
中華圏でなくとも、ポータルサイトからの反響ではなく紹介や法人顧客が多い仲介会社の場合は、現状難しいといえます。
どうしても顧客管理をしたい場合は、不動産特化のCRMではなく、一般的なCRMの方が相性が良いでしょう。

他には、売買事業が主軸で仲介事業に力を入れていない場合など、CRM導入の予算が合わない会社もあります。
ただし、仲介事業の顧客を売買事業にも流すことがあるなら、顧客管理の機能は相性が良いとも考えられます。
導入して問題ないかを判断するためには、費用対効果を算出すると良いでしょう(次項にて詳述します)。

導入の手順

ここまでの内容を踏まえて導入検討に至るのであれば、導入の手順を知っておく必要があります。
任意のCRMを問い合わせるだけでは、それが自社にとって適切かどうかが分かりません。
そのためにまずは自社の課題を分析し、併せてCRMを比較検討することで、どれが適切なのかを見極めましょう。
本項では、自社の課題分析の方法、そしてCRMの判断基準をご紹介します。

自社の課題を分析する

まずは、自社の課題を認識しましょう。

例えば、CRMは反響自体を増やすのではなく、顧客管理によって反響の取りこぼしを減らせるツールです。
そのため、課題を分析して反響を取りこぼしているのが分かれば、CRMの導入が効果的ということです。
多くの仲介会社は広告費用を増やすことで成約数を伸ばそうとしますが、まず来店率や成約率の改善を試みた上で反響数を増やす考えが、課題を分析する上で必要不可欠です。

分析の際は、反響数などの「計測月によって変動する数値」と、来店率などの「計測月を問わず一定に保ちたい数値」があるため、前年同月比か前月比かを区別して考えると良いです。
下記項目を参考に、自社の数値を測定してみてください。

測定すべき項目の例

  • 広告費用は月にいくらかけているか
  • 各ポータルサイトからの反響数は月にいくつか(反響1件あたりの費用と工数はどれくらいか)
  • 反響数のうち来店数はいくつで、反響来店率は何%か
  • 来店数のうち成約数はいくつで、来店成約率は何%か

各項目の目標数値は、会社の顧客特性や地域等によって異なるため、目標を設定しにくい現状があります。
そのため下記の目標数値の例と、自社状況や他社状況を鑑みることで、適切な目標を設定してください。

目標設定の例
広告費用:会社規模や契約内容によって異なる(売上目標と業務負荷を鑑みて調節する)
反響数:CRMを導入するなら社員1人あたり月50件(月50件以下の場合は人力で対応できるため)
反響来店率:約20%〜30%(一定の数値に保った上で30%を超えるのが理想)
来店成約率:約40%〜45%(良くも悪くも動きにくい数値だが50%を超えるのが理想)
※弊社の業務コンサルタントの実務経験やセールスによる調査データに準拠

機能を比較してCRMを決定する

次に、各社のCRMを比較しましょう。
上記に示したようにCRMには多くの機能が備わっており、その中でも特に着目したい機能について解説します。
一つの判断基準として参考にしてください。

①反響の取り込み

CRMの最初の動作は、反響を受けて情報を取り込み、CRM上に顧客を登録し、顧客に初回メールを送ることです。
一見すると即時で動作するように思えますが、実際はそうではありません。
「取り込みスピード」には違いがあり、即時のものから、数分間隔のもの、手動のものまであります。
このスピードが速ければ速いほどメール送信が早くなるので、顧客との接点を早く持てるということになります。
スピードに明確な基準はないため、各社に確認して比較するしかありません。

連絡手段の多様化

顧客にとって使いやすい連絡手段であるほど、返信〜来店率は高まります。
そのため「いくつの連絡手段があるか」と、多くの顧客が連絡手段として使う「LINEで連絡できるか」がCRM選びにおいて重要です。
ただし、担当者ごとにLINEを利用するだけだと、連絡状況が属人的になってしまいます。
常に誰かが返信できるようにするためには、CRM上でLINEの連絡状況が確認できる必要があるので「CRMとLINEが連携しているか」も重要なポイントです。

③サポート体制の充実さ

次項にて詳述しますが、CRMを比較する上で欠かせないポイントが「サポート体制」です。
なぜなら、どんなにデジタルに強い会社でも、サポートなしに100%使いこなすのは困難だからです。
サポート体制の良し悪しを判断には、大きく2つのポイントがあります。

一つ目は「運用開始前のレクチャーの充実度」です。
頻度や内容、レクチャーの手段で判断できます。
訪問もしくはWEB会議にて、複数回の講習があれば問題ないでしょう。

二つ目は「運用開始後に使い方を確認できるか」です。
例えば、会社ごとに専属の担当者がつき、簡単に連絡して疑問解消できると良いです。
担当者との連絡とは別に、問い合わせ窓口もあると、担当者以外も対応してくれるためオススメです。
また、担当者に使い方を聞いた後に、会社内で使い方を浸透させるのにも手間がかかります。
使い方の動画がまとまっているようなサポートサイトまで用意されていると理想的でしょう。

④導入による費用対効果

予算だけで考えるよりも、導入による費用対効果をどれだけ出せるかが重要です。
費用対効果は、CRM導入のビフォーアフターを計算して、その差分で考えます。

費用対効果の計算例
月の反響数 × 反響来店率 × 成約率 × 成約単価
導入前:月反響50件 × 20% × 45% × 10万円 = 36万円
導入後:月反響50件 × 30% × 50% × 10万円 = 60万円

CRMが月額10万円であれば、このCRMでは月に14万円プラスになります。
費用だけ考えず、導入による効果を計算した上でCRMを比較検討できると良いでしょう。

契約する

契約後にすぐ使えるCRMは多くありません。
導入準備をして、レクチャーを受けてから、運用開始することができます。
運用開始までは、早いもので1〜2週間、長いものだと運用開始まで1ヶ月以上かかります。
運用開始後も、慣れるまでに1〜2ヶ月かかるため、繁忙期を避けて導入する会社も多いです。
社内の状況を考え、業務に余裕のある時に契約ができると良いでしょう。

導入後、使いこなすには?

CRMは、導入するだけで勝手に効果が出るものではありません。
CRMの効果を最大化するためには、導入後にしっかりと使いこなす必要があります。
使いこなせないだろうと懸念される方も多いですが、実ははじめから使いこなせる会社はありません
本項では、どうすれば使いこなせるのかを良いのかを解説します。

サポートを活用する

どんな人でも、CRMをサポートなしに使いこなすのはかなり難しいです。
そのため、サポートを活用しながらCRMを使いこなしていきましょう。

まず、資料が用意されている場合は読みこんで、実際にCRMを触ってみます。
資料を読んだ上で分からなかったことを、専属の担当者や問い合わせ窓口に聞いて回答をもらいましょう。
そして、最も手こずる場面は導入初期です。
多くのCRMは導入前のレクチャーがありますが、そのレクチャーの前にも自分たちで資料を読み、理解度を上げられると良いです。
慣れてきた頃には、定期的にミーティングを設定する会社もあります。
CRMを使う社員全員で参加して、普段使用する中での疑問を解消しましょう。
以下の例を参考に、資料に書いてないような個別具体的な質問をしてみてください。

質問例

  • 社員が少ない中で、〇〇の機能を効果的に使うにはどうすれば良いか
  • 〇〇なお客さんに対して、どうやってCRMを使えば良いのか悩んでいる
  • 〇〇はやってみたが、来店に繋げるためにもっとできることはないか

CRMを導入することで勝手に成果が出ると思う人は、サポート担当者に最初から聞こうとします。
最初から聞くのではなく、自らCRMを触った上でサポートとコミュニケーションを取るのが、CRMを使いこなす秘訣です。
CRMを敬遠せず、気軽に触ってみてください。

導入後によくあるトラブルを知っておく

ここからは、導入後によくあるトラブルをご紹介します。
事前にトラブルを知っておくことで、導入前と導入後のギャップを無くしましょう。

①導入することで業務がなくなると思っていた

上記でも解説した通り、CRMは勝手に色々とやってくれるわけではなく、人がうまく使いこなすものです。
業務がなくなる場合もありますが、「業務が楽になる」といった認識を持っていた方が良いでしょう。
人がやらなくても良い業務を減らし、来店対応や内見同行といった、人が不可欠な業務により時間を割ける状態が理想です。
また、導入初期は慣れるために頑張らなくてはいけません。
業務を減らすのではなく、長期的に考えて業務を置き換えていく姿勢が売上アップに重要です。

②使えない機能があった

ひとえに不動産会社といえど業態も規模も顧客特性も多様なため、CRMがうまく使えない場合もあります。
特に注意したいのは、現在使っているシステムとCRMとの相性です。
相性が悪いと、連携できずに一部の機能が使えない場合もあります。
システムに詳しい必要はないので、営業担当としっかりとコミュニケーションをとりましょう。

営業担当に伝えるべきこと

  • 現在使っているシステムは何か
  • どのような工程で日々業務を行っているか
  • CRM導入によって、どのような未来を想像しているか
  • 金額はどこまで許容できるか

まとめ

CRMは、便利なツールですが、なんでもやってくれるツールではありません。
使いこなしてこそ本領を発揮するCRMなので、サポートを活用しましょう。
もし効果が出なかったら、CRMが会社に合っていないのかもしれません。
適切にCRMを選び直して、導入してみてください。
本記事をきっかけに、より良い業務に変わっていくことができれば幸いです。

 

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